大判例

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東京地方裁判所 昭和27年(ワ)5393号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

(事実と判斷)本件は、電話の売買を業とする原告が他に転売の目的で被告より電話加入権を讓受けその代金を支払つたところ、その名義書換をせぬ中右電話加入権は被告の債権者のため仮差押され、原告の催告にも拘らず被告がその解放に協力せず名義変更を不能にしているので、原告より右讓渡契約を解除して代金の返還を求めている訴である。本件の主要な争点は、右名義変更が不可能になつたのは原告が名義書換の手続を怠つた間に生じたものであるか(即ち原告の責に歸すべき事由に基くものであるか)どうかという点であるが、判決は左記の如き商慣習の存在を認め、右は被告の責に帰すべき事由に基く履行不能なりとし、原告の請求を認容している。

「鑑定人××の鑑定の結果によれば、電話の売買業者が電話加入権を讓受けた場合には直に自己にその加入名義の変更手続をなさず、その後三箇月位までの間に他に売却しこれに直接名義の書換手続をなす旨の商慣習の存在することが認められるので、反対の意思表示の認められない本件においては当事者双方共この慣習に則る意思をもつて本件讓渡契約を締結したものと推認すべきである。以上の事実によれば原告は讓渡契約締結後遅くとも三箇月位までは加入名義の書換手続をしない場合のあることを予定し、被告においてもれを諒知して名義書換の履行期を延期し、その間に名義の変更を妨げるような事態の発生を防止する義務を負担しているものというべく、従つて本件讓渡契約を締結後直に名義書換手続をしなくても履行遅滯に陥るものではないから、その後一箇月を出ない間になされた仮差押の執行を目して原告が名義の書換を怠つた後に生じたものと論じ去ることはできない。」

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